親知らずの抜歯
症例は横向きの親知らずで、
大半が埋まっているものの、
一部が口腔内に露出している。
1 切開・剥離
親知らずの周囲をメスで切開。
歯ぐきをめくって、親知らずを明示。
必要に応じて周りの骨を削る。
2 歯冠分割
歯冠(歯の上部)を削合。
歯根(歯の下部)と分割する。
3 歯冠の抜去
歯冠を抜去する。
出口が狭い場合は取り出しにくいため、
さらに分割する場合あり。
4 歯根の分割
歯根の形態が複雑な場合、
中で引っかかって取り出しにくいため、分割する。(不要な場合あり)
5 歯根の抜去
歯根を抜去する。
周囲の不良組織を除去し、
内部を洗浄する。
6 縫合
切開した部分を元に戻し、
糸で縫合して終了。
術後の注意事項
・体温が上昇する行為(長風呂・飲酒・運動)は控える→再出血の原因になります。
・うがいは極力控える→血がうまく固まらずに再出血や後述のドライソケットの原因になります。
・患部は冷やさない→腫れた場合、おさまるのが遅くなります。
術後の合併症
・下唇のしびれ…親知らずの根の先が神経と接している場合があるため、親知らずを抜いた後に稀に起こります。大半のケースは数か月で治癒しますが、治癒促進のためのお薬(ビタミン製剤)を飲んでいただきます。
・顔の腫れ…処置の規模や体質によって変わるため、全く腫れない場合もあれば強く腫れる場合があります。ピークを越えたのちに徐々に消退します。
・痛み(ドライソケット)…下の親知らずの周囲の骨質は硬く、それによって抜いた後に骨に炎症が起こり強い痛みを伴う場合があります。時間経過により徐々に消退しますが、痛み止めを長めの期間で飲んでいただく場合があります。
・口が開きにくくなる…親知らずの周囲に口の開け閉めで動かす筋肉があるため、術後の炎症によって筋肉が硬くなり、口が開きにくくなります。徐々に開くようになりますが、元に戻るまでに1ヶ月ほど時間がかかる場合もあります。
・飲み込む際に喉が痛くなる…親知らずの内側に飲み込む際に動かす筋肉があるため、術後の炎症の影響で痛みが起こります。症状は徐々に消退します。
※これらは下の埋まっている親知らずを抜いた場合の簡易的な説明です。
症例によって内容は変わりますので、詳細については診療時にお尋ねください。