top of page
口腔内と全身の関係
近年では口の中の状態が全身の健康状態に大きく影響を与えていると言われています。色々ありますが、いくつかピックアップして紹介していきます。
1.糖尿病
テレビなどで特によく言われるのが、歯周病と糖尿病の関係で、この二つは片方が悪化するともう片方も進行しやすくなります。
糖尿病の進行による歯周病への影響
①免疫力の低下や歯ぐきの毛細血管が損傷することによって、歯周病菌への耐性が低下し、炎症が起こりやすくなることと組織へのダメージに対する修復作用が働きにくくなる。
②唾液の分泌量が低下するので、口の中で自浄作用が働きにくくなる。
歯周病の進行による糖尿病への影響
①歯ぐきから出血しやすくなり、そこから口の中の細菌が血管内に侵入して全身に回る。血管内で炎症が起こる結果、サイトカインという物質が増加し、このサイトカインがインスリン(血糖値を下げるホルモン)を効きにくくする。
②噛む能力が低下した結果、食物繊維を含む野菜類を避けるようになり、食べやすい炭水化物(糖質)の摂取量が増える。
2.誤嚥性肺炎
誤嚥とは、通常は唾液や食物が飲み込む(嚥下・えんげ)ことによって胃に送り込まれるところ、誤って肺の方に送られてしまうことです。口の中をきれいにしていないと、この際に多量の細菌が唾液に混ざって肺に送られてしまい、肺炎を引き起こします。肺炎は高齢者の死因の多くを占めており、さらに肺炎の中でも誤嚥性肺炎が多数を占めていると言われています。
口の中は、温度が37℃ 程度、唾液によって多湿、 定期的に食べかすがたまって餌が得られる、つまりは細菌が育つのに絶好の場所になのです。衛生状態の悪化した高齢者の口の中では、600 種類以上で数千億個の細菌が存在しているといわれていて、そんな多量の細菌が肺に押し寄せてくると思うとゾッとしますよね。
誤嚥自体は老化によるものですので防ぐことは難しいですが、口の中をきれいに保つことによって誤嚥性肺炎のリスクは下げることはできます。歯の周りをきれいにするのはもちろんですが、歯がなくて総入れ歯の人でも入れ歯の周りに菌は付着しますし、舌にも細菌はたまりますのでこの辺りを手入れしていくのはとても大事です。
3.認知症
ものを噛むという行為が認知症の発症に影響を与えていると言われており、20本以上歯が残っている人に比べて、歯が全くない人は1.6~1.9倍程度でアルツハイマー型認知症になりやすいと言われています。
研究によると噛むという行為を繰り返すことによって脳の血流が増加すると言われており、反対に言うと歯がなくなって十分にものを噛めない人は柔らかいものばかりを食べるようになりますので、噛む回数が減って脳の血のめぐりが悪くなる結果、認知症になりやすくなるとされているのです。また、前述の歯周病における血管内への細菌侵入によって、脳の細胞死が引き起こされるともいわれております。
予防するためには、よく噛んで食べることです。ガムを噛むことが認知症の予防につながるとも言われています。歯を失ってしまった人でも、入れ歯をちゃんと作ってもらうことが大事です。
ほかにも色々ありますが、結論として年を取ってから健康に過ごすためには、普段からしっかりと歯磨きをして、歯医者で定期的に検診とお掃除をしてもらうことが大事です。(・ω・)ノ
bottom of page