虫歯になりやすい食生活
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甘いものばかりを食べていると虫歯になる、とよく言われますが、なぜ甘いものを食べると虫歯になるのでしょうか。普段の歯磨きだけではなく食生活も虫歯になるかどうか歯に与える影響は大きいのです。今回はそんな食生活について解説していきます。
虫歯になりやすい食生活の特徴
①ダラダラと飲食を続ける人
②よく噛まずに食べる人
③寝る前に食べる人
普段口の中のPHは中性に近い状態です。何か食べたり、糖分を含む飲み物を摂取すると、口の中の細菌が糖分を分解して酸を産生するため、PHが酸性に傾きます。PHが酸性に傾いている状態では、徐々に歯が溶かされていきますが、唾液の作用によって時間をかけて元のPHに戻っていきます。PHが中性に近い状態では、唾液に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンが歯に沈着することによって再石灰化が起こり、溶かされた歯が元の状態に戻ろうとします。(※ある程度虫歯が進行して欠損が大きくなってしまった場合はこの作用は起こりません。)
普段からダラダラとお菓子を食べたり、ちょびちょびとジュースを飲むような人は、口の中のPHが酸性になった状態が長く続くことになり、再石灰化する時間よりも歯が溶かされる時間が長くなってしまうので、虫歯になりやすいのです。
唾液が少ないとPHが元に戻るのに時間がかかってしまいます。噛む行為によって唾の分泌が促されますので、よく噛んで食べている人と比べて早食いする人は唾の量が少なくなり、虫歯になりやすいです。また、寝ている最中は唾が少なくなりますので、寝る前に何か食べたりするのも良くないです。他には口呼吸する人も唾が少なくなるので虫歯になりやすいです。
虫歯になりやすい飲食物
①糖分を多く含む食べ物(チョコレート、クリーム菓子など)
②口の中に長くとどまる、歯にくっつきやすい食べ物
(飴、キャラメル、スナック菓子など)
③酸を多く含む食べ物(柑橘系、酢など)
④糖分を多く含む飲み物
(炭酸飲料、乳酸菌飲料、スポーツ飲料、果汁ジュースなど)
⑤PHの低い飲み物
(炭酸飲料、柑橘系ジュース、ワインなどのアルコール全般など)
これらの飲食物を摂取してはいけないというわけではないですが、好んで摂取する人は虫歯リスクが高いことを認識して、ダラダラ食べをしない、歯磨きをしっかりすることを特に意識した方が良いです。
虫歯になりにくい食生活は?
基本的に上記のことを避けるのが好ましいです。
・おやつなどの間食はメリハリをつけて短時間で済ませる。
・夕食後、寝る前の飲食は控える。
・糖分や酸を含む食べ物は控えめにする。
・よく噛んでたべる(根菜類をよく食べる)。
他にも、代用甘味料であるキシリトールで構成されるガムを噛むことが虫歯予防に効果的です。口の中の細菌はキシリトールから酸を作ることができないのに加えて、キシリトール自体が細菌の活動を抑制し、歯の再石灰化を促す効果があるからです。また、ガムを噛むことによって唾液の分泌も期待できます。注意点としては、ガムを噛み過ぎると顎に負担がかかって痛くなる可能性があるので長時間噛み続けるのは控えた方が良いことと、キシリトールガムを噛んでもプラークを磨き落とせるわけではないので歯磨きは必ず必要ということです。
虫歯のなりやすさは食生活だけで決まるわけではありませんが、食生活が与える影響は決して無視はできません。虫歯が多いと思われる方は一度食生活を見直してみると良いと思います。